オゾン分解装置【コラム】

オゾン分解装置【コラム】

オゾン分解の原理

そもそも「オゾン分解装置」って、どうやってオゾンを「分解」しているのでしょうか?

このホームページにも、危険なオゾン(O3)が触媒を通過すると安全な酸素(O2)に変わって出てくる図がありますが、少し掘り下げて説明したいと思います。

実はオゾンは化学的にとても不安定な物質で、時間とともに徐々に酸素へ変化します。

ですが、そのままでは時間がかかるため、オゾン分解触媒を通過させる事により化学反応のスピードを速めているのです。

図や化学式で表すとこんな感じです…

 

オゾン分解のプロセスイラスト

 

 

 



つまり、オゾンは触媒に吸着して酸素と活性酸素に分解され、この活性酸素もオゾンと再結合して酸素になる、という具合です。

簡単に言えば、触媒はオゾンを「吸収」しているのではなく、酸素への「化学反応をお手伝い」しているという事ですね。

少々端折った説明になってしまいましたが、お分かり頂けましたでしょうか?

広い空間のオゾン除去


『部屋の中のオゾン臭を除去したい』というご相談を頂く事があります。

オゾンの発生源が特定出来ている場合は弊社のオゾン分解装置で対応可能なケースが多いのですが、一度空間に広がってしまったオゾンの分解は難しいです。

つまり「高濃度」「少量」であれば得意ですが、「低濃度」「多量」は不得意という事です。

弊社のオゾン分解装置は、基本的にオゾンの発生源、例えば弊社のUVオゾン表面改質装置などに直結して使用する事を前提として設計されています。

理論上は「低濃度」「多量」のオゾンでも分解除去はできますが、大量の触媒や大型の送風機が必要となり、装置の大きさもコストも大きなものとなってしまいます。

部屋の中に充満したオゾンは、その濃度によっては人体に有害な場合もあります。

オゾンは大気中に放出しても、やがて酸素に分解して無害なものになりますので、一時的な充満であれば、まず換気をする事をお勧めします。


触媒の寿命

『触媒って、寿命はどのくらいなの?』

『そもそも「触媒」なのに、なぜ寿命があるの?』

こうしたお問い合わせも「よくある質問」の代表例です。

まず弊社のオゾン分解装置では、約500時間を触媒の設計寿命としております。

但し現実的には使用条件によって大きく左右され、例えば3,000時間を超える実例もあります。

本来は風量やオゾン除去率の低下を以って「寿命」となるわけですが、厳密に管理しないのであれば、大まかな目安として年1回の交換を推奨いたします。

では『なぜ寿命があるの?』というご質問ですが…

触媒がオゾンを分解する原理は別コラムでもご紹介していますが、触媒はオゾン(O3)が酸素(O2)に化学分的に分解する「お手伝い」をしています。

触媒と同じようなイメージで活性炭フィルターを思い起こす方も多いかと思いますが、活性炭は様々な物質を自身に吸着させるのに対して、オゾン分解触媒は化学反応が起きているだけなので、活性炭の様に吸着物が飽和状態になったりする事はありません。

したがって単純に「オゾンを分解」するだけであれば、理論上は半永久的に使用する事が可能です。

しかし、実際には吸引ガス中にはオゾン以外の様々な物質が混在しており、これらが触媒の表面に付着して性能の低下や劣化を招いてしまうのです。

私どもはこれらの物質を「触媒毒」と呼んでいますが、その多くは容易に除去できないため、それらが蓄積すれば触媒としての機能が低下し、やがて寿命となるわけです。

オゾンの危険性



[画像のクリックで拡大表示]

許容濃度:
日本 0.1ppm 日本産業衛生学会による勧告基準(2006)
米国 0.05ppm ACGIH TLV-TWA 値(2014)
(※)労働者が一日8時間、週40時間程度の労働中に肉体的激しくない労働に従事する場合の曝露濃度がこの数値以下であれば、ほとんど全ての労働者に健康上の悪影響が見られないと判断される濃度。
TLV: Threshold Limit Value
TWA: Time Weighted Average Concentration
ACGIH: American Conference of Governmental Industrial Hygienists(米国産業衛生専門会議)

このHPの別ページにも上の表が掲載されていますが、オゾンはその濃度によっては人体に有害となります。

とは言っても、それなりの濃度に達しないと重篤な健康被害には至りません。

この表のとおり、国内で定める許容濃度(日本産業衛生学会による勧告基準)は0.1ppmですが、この濃度は鼻や喉に刺激を感じるレベルです。

なので、通常はこの段階で不快感を覚えて本能的に退避行動を起こす事になるかと思います。

弊社が把握している限りでも、これまで高濃度のオゾンに暴露した事による重大事故(死亡もしくは重傷)は一件もありません。

但し、低濃度の暴露で「気分が悪い」とか「喉が痛い」といった事例が発生している事は考えられます(実は筆者も体験者の一人ですが…)。

オゾンの危険性については、幸いにも私たち人間のセンサーが低濃度の段階で感知してくれますが、どうしても人間の感覚には「慣れ」というものもあります。

侮る事なく「正しく怖がる」という事が大切ですね。


オゾン分解装置のメンテナンス


弊社のオゾン分解装置(小型標準機)は下記写真の様な形状になっており、構造は至ってシンプルです。

上部のビスを外して蓋を開ければ、内部にオゾン分解触媒が見えますので、そのまま上に引き抜いて新しい触媒をセットし、蓋を元通りに取り付ければ交換作業は完了です。

※触媒の枚数は機種により異なります

オゾン分解装置

また、お客様に合わせたカスタマイズ機もありますが、中に入っているオゾン分解触媒は同じもの(枚数が違うだけ)です。

下の写真は触媒が入っているユニットの蓋を外したところですが、小型標準機と同じく触媒は簡単に取り出して交換する事が出来ます。


オゾン触媒 カスタマイズ事例

オゾン触媒 カスタマイズ事例


オゾン分解触媒の寿命については別コラムでも説明がありますが、使用時間によって性能が低下してきますので、基本的には「交換」となります。

但し、例えばダストが多い環境下で使用したものなど、物理的に除去が可能な物質が付着している場合は、エアーブロー等で清掃する事で一時的に性能が復活する場合もあります。

この場合の注意点は以下のとおりです。

・エアーブローは、風の流れの下流側から(逆方向)に噴射する

(感覚的にお分かりかと思いますが、上流側から吹けばゴミを押し込んでしまいますよね?)

・マスクや手袋、ゴーグル等の保護具を着用する

(ゴミも飛散しますが、触媒自体が脆いのでその粉塵も飛散します)

弊社の小型標準機では本体内に小型のファンが内蔵されているものもありますが、ついでにファンの羽根車もチェックしてみてください。

もしゴミやホコリが付着していたら、同じくエアーブローで吹き飛ばしてきれいにする事で風量が復活する場合もあります。

ちなみに触媒もファンも、水洗いは出来ませんのでご注意を!

オゾン分解装置の導入フロー


よくお客様から『オゾン分解装置の導入を検討しているのですが、装置の大きさや価格はどのくらいするの?』とお問い合わせを頂きます。

弊社でも標準型から特注型まで様々なタイプのオゾン分解装置をご用意していますが、使用条件や環境等によって、お薦めする装置は変わってきます。

どの装置も「オゾンを分解除去する」という目的は同じですが、オゾンの発生量(濃度や風量)等の条件によって仕様が違うのです。

『オゾンは出ているけど、濃度とかはわからない』という場合は、濃度測定キットのレンタルや出張測定サービスもありますのでこちらをご検討ください。

もちろん、オゾン分解装置を導入後の管理用(排気濃度の測定用)にもご利用いただけます。

初めてのお客様のために簡単な導入フローをまとめてみました。もし不明な点があればご遠慮なくお問い合わせください。


導入のフローチャート

導入へのフローチャート


[画像のクリックで拡大表示]

関連記事

UV(紫外線)について|よくある質問

UV(紫外線)について|よくある質問の画像

UV(紫外線)について

Q.UV(紫外線)とはどんなものですか?A.波長が、10~380nmの電磁波をいいます。可視光線より短く、X線より長い波長です。Ultravioletの略です。波長別に、UV-A、UV-B、UV-C

UV洗浄表面改質について|よくある質問

UV洗浄表面改質について|よくある質問の画像

UV洗浄表面改質について

Q.UV洗浄表面改質装置とは、どのような装置ですか?A.「UVオゾン洗浄装置」「UVクリーナー」「UVオゾンクリーナー」「UV/O3洗浄装置」「紫外線オゾンクリーナー」とも呼ばれたりする装置です。1

UV洗浄表面改質装置【コラム】

UV洗浄表面改質装置【コラム】の画像

UV洗浄表面改質装置【コラム】

UV表面洗浄改質装置の排気はどうしたらいいのでしょうか?弊社コラムをお読みいただき、ありがとうございます。当社製品の中でも指折りの人気のUV表面洗浄改質装置はリピーターの御客様はもちろんのこと、新